数十億円もの横領事件は未然に防げた可能性

横領

元役員による業務上横領事件は調査によって未然に防げていた可能性

6月末、千代田区のAI開発(人工知能開発)企業の元役員が数年の間に約33億円もの会社のお金をFX取引や自らの住宅ローンの返済に充てていたことが判り逮捕されるという事件がありました。

会社の口座から百数十回に分けて自身の口座に振り込んでいたらしいのですが、数年間も気が付かないというのは数年に一回、いや毎年耳にするニュースの一つになっている気がします。

このようなベンチャー企業であっても経理に関してチェックする社員が数名は要るものですし、決算期に口座の残高など行うでしょう。また税理士からのチェックが入ると思うのですが、、、。

こうした事例で探偵事務所や調査会社に依頼する場合、時すでに遅しの場合がありますが、定期的に経理担当者の動きを確認するのも大事です。

社内でどなたか一人は気が付いていたはずで、「なんかちょっとおかしいな、、、」と感じている人物が一人はいたはずなのです。逮捕された元役員は預金通帳の写しの改ざんを行い発覚を免れていたという話なのですが、会社の預金通帳の管理をこの役員一人に任せていたということなのでしょう。同じような事例は数多くニュースになっていますし、これまでも世間を賑わせてきました。

「なんかちょっとおかしいな、、、」と思われたら一度「素行調査」を行う事をお勧めします。素行調査は

    • 何時
    • 何処で
    • 誰と
    • 何をしていた

という事を調査会社の調査員が尾行を行って確認する仕事です。ですから調査される側の人物の同じ会社の職員などが出来ない仕事です。

以前行った職員の素行調査は退社後から帰宅までの素行調査で土日も行った。調査期間は二週間。調査の目的はやはり業務上横領の可能性があるという事。被害は長期にわたるもので警察に相談に行く前にどのような動きをしているのか?という事実を把握したいという事であった。

素行調査自体は数日間は動きが無かったが週末にかけて、得ている収入以上のお金の使い方を把握することができた。都内のデパートでハイクラスのショップで洋服を数点買い、その後友人と思しき人物らと所謂キャバクラのような店を数件廻った。終電がまだあるもののタクシーで帰宅。土日は都下にある競艇場に一日中いるというギャンブル狂いのようだった。掛け金の把握に関しては正確な数字は確認できないが、機械に入れている札の種類や数を合計すると一日当たり10万から15万円くらい賭けている模様。勿論ギャンブルで勝つときもあるだろうが、会社からの聞き取りではその職員の手取り収入では考えられない数字。

二週目も友人とキャバクラや風俗で遊び、週末は競艇場というお決まりのパターンが見えました。

上記の動きからその職員が会社の金を横領している可能性が極めて高いという判断をし、調査会社の素行調査報告書を持ち警察と顧問弁護士へ相談。その後事件化でき、逮捕~立件の流れとなった。本人が横領を認めたため起訴され有罪判決が出たが、横領された約6500万円の回収が困難な状況との事。しかし素行調査を行わなかった場合は更に被害額が増え続けていたはずで、もっと早くに調査の判断をしていれば被害額も減少していたに違いありません。

今回、冒頭に紹介した横領事件は被害額数十億円のうち約5億円余りが回収できたそうですが、元役員から個人的な返済はほぼ不可能でしょう。

ですから早めの判断で被害を最小限に抑えるのもコストカットに繋がるものと考えます。

≫素行調査の依頼


東京調査業協同組合