取り込み詐欺の被害が発生しています
取り込み詐欺の主犯格が逮捕されたニュースがありました
本年10月に取り込み詐欺の主犯格と思われる70歳代の男性が逮捕されたというニュースがありました。
当組合でも数年前に「取り込み詐欺の被害に遭ったかもしれない」という依頼人からのご相談があり、相手方の会社を調査した経緯があります。
今回のニュースと同様に家電製品などを主なターゲットとしていたようで、中には2000万円相当のLED製品を搾取された会社もありました。依頼人は排水関係の製品を数十点卸したのですが、代金の支払いがあったのは最初の取引時だけで、その後はのらりくらりと支払いが行われなかったという事です。
同社の法人登記を確認したところ、数か月前に代表を含む役員が全て交代しており、目的も全ての項目で変更がなされ、設立時と比較して全くの別会社と言えるほどになっていました。
登記に記されている代表者の自宅の確認を行うもまるでひと気の無い集合住宅の一室であり、創業40年余りの会社の代表の住まいとしては疑念の残るものでした。かなり以前にも同じような取り込み詐欺の案件があり、その時の代表者の自宅は関東近郊の町中にあるものの、Googleストリートビューで確認したところお世辞にも”人の住まい”と呼べるようなものではありませんでした。
こうした取り込み詐欺というのは詐欺罪を適用するのがとても難しい案件です。「騙す目的でやった」と言う事はなく、一般的な商取引上でも取引先の資金繰りが悪くなり支払いが遅くなる、倒産するといった事例は珍しくないからです。
以前の調査の場合は信用調査機関もすでに調査した経緯もあり、当方でも危険な会社であるとの認識でしたが既に取引が開始されていましたので取引金額の回収は難しい状況でした。
取引詐欺を行う集団は騙し取った商品を市場価格の半値という安さで買い取り業者に転売し、潮時が来たら一気に離散していくという方法を数年おきに行っているようです。
数日後、相手方は弁護士を通じて会社清算の通知を各社に送ってきました。当時者でもある弁護士に話を聞いたところ、最初の手付金の支払いはあったものの、以連絡が取れなくなったということでした。
こういったニュースを聞くたびに思うのですが、新規の取引の際は信用調査機関のデータを参照したり、法人登記の確認を行うなどして少しでも「?」と思ったら取引を中止するか、規模を縮小するなどして被害を最小限に抑えるのが懸命な処理の仕方だと思います。詐欺師は最初はニコニコしながら近づいてきます。
少しでも変だな?と感じたら我々調査機関にご相談ください。